私、南三陸町と生きてくことに決めました。

南三陸町と自分のことについて綴ります。

南三陸日記

 それは、私が宮城に来て2日目の日のことでした。

東北本線で、

仙台駅から新田駅に向かっている途中、

私が座っていた向かい側の席に

外国の女性の方が座りました。


その時、本を読んでいて

気づかなかったのですが、

その女性の通路の反対側に

その旦那さんが座っていたのです。


通路を挟んで話していたので、

わざわざ日本来てくれたのに

そんな風に会話させるの嫌だなと思い、

私は旦那さんと席を替わってあげました。


ふたりはとても喜んでくれて

「よかったな」と思いながら、

本の続きを読んでいました。


その本は、

朝日新聞の記者が

南三陸町のことについて書いたもので、

そのタイトルは「南三陸日記」


読んでいて

とても悲しくなることばかりで、

その都度、涙が出そうになるのですが、

周りに人がいるということで

必死で涙をこらえながら

読んでいました。


それは、お腹にお子さんがいながら

新婚1週間で

旦那さんが亡くなられた女性の

話のところでした。


何度も死を考えるも

お腹を蹴るお子さんに励まされながら、

無事、お子さんを出産。

その出産に立ち合った義理のお母さんと

助産師が涙していたというもので、

その本には

義理のお母さんと助産師が

涙している写真が

掲載されていたのです。


それを見た途端、

ずっとこらえていた涙が

溢れ出してきてしまい、

止まらなくなってしまったのです。


その時です。

先ほど席を譲った外国人夫妻が

目的地の駅に着いたということで、

私に挨拶をしに来てくれました。


私が涙を流しながら

ふたりを見上げると、ふたりは


「え!?どうしたの!?」


という表情。


私はすぐに本を見せ

「very sad book」

と言うと、ふたりは

「そうだったのね・・・」

という表情をし

「席を譲ってくれてありがとう」

的なことを言って降りて行きました。


私は、この出来事以来、

この本を人前で読むことをやめました。


実はこの本、

ランドセルを背負った女の子が

表紙になっているのですが、

下手したら

その外国人夫妻に


「あいつ、幼女の本を読んで泣いてたな。

日本、ヤバくないか?」


と思われていないか

とても心配しているところなんです(^^;)


もし、変に誤解され

日本のイメージダウンにつながっていたら、

ごめんなさいm(__)m

  

南三陸日記 (集英社文庫)

南三陸日記 (集英社文庫)